SOSU代表の、マイコです。
平成30年11月11日(日)(建築の日だそうです★)14時から16時まで、真備町辻田のぶどうの家ブランチにて、『住まいについて考える!』を開催いたしました。
初めは3人しかいなかった参加者。
時間を追うごとに、どんどん増え、最後には、立ち見まで出る、大盛況でした。
正確な人数を把握しきれていませんが、大体、30名くらい、ご参加くださったと思います。
お忙しい中会場にお越しくださり、本当にありがとうございました。
『住まいについて考える!』開催趣旨

『住まいについて、考える!』SOSUin真備
平成30年10月22日に、主に、子育て世代を中心に、第二回『みんなで学ぼう!住まいのこれから勉強会』をSOSU拠点の、総社市内のFLCBビルにて開催いたしました。

みんなで学ぼう住まいのこれから勉強会パート2(会場の様子)
その時に、訪問看護施設の、ぶどうの家の津田さま・武田さまが、お越しくださいました。
そして、
こういった会を、ぜひ、真備でも早急に開催したい。
車がなくて総社まで来れない、高齢世代の方々も、子育て世代も、みんなでこんな風に学びあう会を開きたい。
また、
高齢世代は、余生も少ないし、限られたお金でどうするべきか、堂々巡りで決められない。
同じ人ばかりで話し合っても、そこから、前に進まない…。
そんなご相談を受け、今回、この会が、実現致しました。
講師紹介

上:真ん中の女性:津田さん。下:質問票を見て話し合う先生方。左から、佐々木さま、磯打さま、浅野さま
本当に急なお願いにもかかわらず、快く引き受けてくださったのは、
- 防災のスペシャリスト:香川大学特命准教授 磯打 千雅子さま
- 訪問医療に力を入れ、いかに楽しく生きて死ぬかを研究されている、あさのクリニック院長 浅野 直さま
そして、なんと、前日の20時に、津田さんから電話連絡をうけ、駆け付けてくださった、
- (株)グランツ設計:建築士 佐々木 満さま
3名の講師陣をお迎えし、話し合っていきました。
深い会になりました…。
本当に、感動しました。
人生の先輩方から、私たちのほうが学ぶことが多かった。そんな素晴らしい、希望溢れる会になりました。
家、そのものへの愛 人生から、選択する。

直接、お話を伺いながら進んでいきました。
質問【新築か、リフォームか、選択できずに迷っている】
もう、イヤだ!
こんな家には住みたくない。
よそに出て暮らそう。
そう思って、すぐに、窓枠からなにから、もう、全部、捨てたんです。
だけどね、今、みなし仮設に住んでいますが、やはり、誰も知っている人がいなくて、何にもすることがなくて、やっぱり、寂しいんです。
それでね、やっぱり、真備しかないって思ったんです。
知り合いがいて、声をかけてもらって、こんなにいいところに住んでいたんだって、こんなことがあってね、改めて、よく分かったんです。
だけど、毎日毎日、リフォームにするか、新築にするか、フラフラふらふら気持ちが揺れて、決められないんです。
やっぱり、この家が好きだったんですね。
便利がいいし、間取りも気に入ってたんです。
家に対する愛着もあって…。
だけど、土壁なんですよ。もう全部はがれてしまって…。
どのくらい、きれいになるものなんでしょうか。
【佐々木先生の回答】

何度も『愛』という言葉を繰り返しながら真剣に回答する佐々木先生。
このお話はね、ハードの問題じゃないですよね。
お金のことは、ちょっと置いておいて、お話ししますね。
○○さんの場合、【真備に住む】ということが、幸せであり、希望ですね。
そして、物にも命があります。
車にも、コップにも、カバンでも、気に入っていて、捨てられないものってありますよね。
家が、命を持っているんです。
傷ついて、ボロボロになったから、じゃぁ、捨てるのか、って、お話だと思うんです。
仮に新築にする場合、○○さんは、愛のある、命を持っているその家が、解体されていく現場をみることになります。
それは、相当、心が痛むでしょう…。
心に傷がつくと思います。
だから、心の面から言うと、リフォームのほうがいいのではないでしょうか。
一度、見積もりを取ってみて、建て替えを検討してみて、どうしようもないなら、納得の上で、新築という選択はいかがでしょうか?
最も大切で、譲れないものは、何ですか?

住まいと人生。核心から一歩もずれない話が続きました。
奥様に介護ケアが必要な老老介護をされているケースの方のお話です。
いや、私もね、家はもう、二階まで浸かって。
もう、潰して、すぐ更地にして、小さい家でも建てよう。
そう思ったんですけどね。
私らはもう、借金ができないでしょう。
それに、あと何年生きるのかもわからない。
どれだけお金を使っていいものやら…。
アパートで暮らそうかとかも思ったんですけど、妻は寝たきりだから、別の場所に行くこともできないんですよ。
娘はね、一緒に住めばいい、こっちにこいって言ってくれるんですけどね。
やっぱり、一緒に住むのはいろいろ難しいし、ストレスがたまってうまくいかないと思うんですよ…。初めから一緒ならよかったんでしょうけど、今まで、お互い好きにやってきたんですから。
それに、妻とはいつまで一緒にいられるのか。
妻と離れる気はないんです。
ずっと一緒にいたい。
今は、こちらでお世話になりながら、二階に住んで、訪問看護のお世話になっています。
それまでは、妻は泣いてばかりいたんです。
だけど、真備に住もう。そう決めた時から、泣かなくなりました。
【浅野先生の回答】
どちらがいいとか、悪いじゃなくて、また、損得でもなくて。
人生の物語の続きを、どう紡いでいくのか。
そういうお話だと思うんですね。
また、現実の費用面を実際に計算してみて、可能か不可能か。
毎日毎日、心が揺れる、大変な選択の時期を今、皆様が迎えていらっしゃいますね。
私たち、医療従事者は、お二人のような暮らしを、いかに安心なものにし続けていくか。
安全な場所で、気持ち穏やかに住んでいただけるように頑張っていきたいと思っています。
そして、話題は、心のことについて。
浅野先生から、まず、最初に提案されたのは、
『あなたが今、一番大切にしたいもの。これだけは絶対に譲れないもの。』
それを一つ、考えて書くこと。
あなたは、何ですか??
せっかくブログをお読みくださっているので、ぜひ一度、考えてみてください。
・・・・・‣。
書けたでしょうか??
結構、難しいですよね。
普段、あまり考えないことを、わざわざ考えるって、とても大切なことだと思います。
ちなみに、私は、『生きる』ことです。
ただ生命を維持するのではなく、生き生きと生きるということです。
この生を、生ききる。
これは、今の私に、絶対に譲れないことです。
「家族」や「子ども」、「お金」、「仕事」という方もいるかもしれません。
価値観は千差満別。
みんな、それぞれ大切にしたいものがあります。
この後、人の死とずっと向かい合ってこられた、先生ご自身の経験から、人の死を、業務として扱ってきた、自分。
そして、ご自身のお父様が亡くなられたことをきっかけに、人の死を業務として扱えない自分に出会い、「人はなぜ、人生を生き、死んでいくのか。」ということを、深く、考えるようになったとのお話をいただきました。
私自身も、『人はなぜ生きるのか。』そのことに、やたら興味があって、『死ぬ瞬間』『アンネの日記』『夜と霧』『黒い雨』など、重いテーマの本を、学生時代に読み漁っていたことを思い出しました。
人は希望がある限り、生きられる。
ただ、生きること。
人生の意味は、生そのものである。
たしか、そう書いてあったと思います。
皆様が今、直面されていることは、合理的に住むという話ではなく、いかに、余生を生きるのか。
生き方、そのものの、お話です。
今回、浅野先生に講師をお願いしたのは、このテーマを絶対に扱いたかったからです。
暮らしを紡ぐ
浅野先生から、南三陸町のお話がありました。
あれだけの大津波があっても、やはり、皆さん帰ってこられるんですね。
やはり、そこに、暮らしがあるから帰ってくる。
町に対する想いがある。
『安全』ということと、『暮らす』ということ。
その二つをどう紡いで、生きていくのか。
治水工事が完了するまで、真備には帰れない。という方もいらっしゃいます。
心を守っていくという観点から、同時進行で真備に帰り、暮らしを紡いでいく。
そんな、選択肢もひとつ、あります。
マイコ的まとめ

『住まいについて、考える!』SOSUin真備
長くなったので、いったん区切ります。
次回は、磯打先生の河川の特徴や、大地の話です。
そもそも、どうして、あんな災害が起きたのか。
治水工事は、今、どういうことをやっているのか。
前半とは、また雰囲気が打って変わって、皆様の質問から、どんどん話が展開していきました。
発言も活発になり、これまた、素晴らしい、学びあいの時間になりました。
災害が起こる前提で、いかに住み、いかに生きるのか。
今、できることは何か。
次回も気合を入れて書きます(笑)
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